飲み物やお菓子、コンビニのお弁当、色々な食品に含まれている乳化剤。乳化剤って何?安全なの?色々な情報があってよく分からない…
そんな疑問にお答えします。
✔️ 記事の内容
・乳化剤とは
・使われる目的
・種類
・安全性
・まとめ
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乳化剤とは
界面活性剤。界面(表面)の性質を変え、物質同士(水と油など)を混ざりやすくする。
使われる目的
実に多様な働きがある乳化剤。これが多くの食品に含まれる理由です。主に9つにまとめました。
(1)乳化
本来は混ざらない水と油の界面(表面・境目)に作用して、均一に混ざりあった状態を作る。
*アイスクリーム、乳飲料、クリーム類、マーガリン、バタークリームなど
(2)分散
液体と固体(粒子)を均一に分散させる。固体が沈殿しないようにする。
*チョコレート、カフェオレやココアなど
(3)可溶化
本来混ざり合わない物質に作用し、溶けたかのような状態を作り出す。
*香料など
(4)浸透
界面活性効果(表面・境目の性質を変える効果)により、内部に有効成分を浸透させやすくする。
*化粧品など
(5)湿潤
固体に水が吸着する作用を用いて、固体に親水性を生み出す。
*ガム、化粧品など
(6)起泡
液体を混ぜた時の泡立て効果。泡を安定させる。
*ホイップクリーム、ケーキなど
(7)消泡
泡が生じないようにする。泡を消す。
*ジャム、飲料、豆腐、
(8)離型
焼き菓子などの型離れをよくする。
*クッキーなどの焼き菓子
(9)洗浄
界面活性剤と記載される。界面活性効果により汚れを吸着するため。
*洗剤や石鹸
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種類
界面活性剤は2000種類ほどあり、その中から安全性の高いものが食用として使われています。主に食用として使われる界面活性剤(乳化剤)6種について書きます。
(1)グリセリン脂肪酸エステル(グリセリンエステル)
安全性○
安全性が高いと認められ、乳化剤として世界でも最も多く使われている。世界各国の機関が安全性を証明。
ちなみに世界各国の機関とは=FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)、米国食品医薬品、庁(FDA)、欧州食品科学委員会(SCF)、カナダ保健省(Health Canada)
(2)ソルビタン脂肪酸エステル
安全性○
ソルビトール(糖類の一種で果物や海藻にも含まれる)と脂肪酸を結合させたもの。他の乳化剤と組み合わせて使われる。
(3)ショ糖脂肪酸エステル
安全性△
ショ糖と脂肪酸から作られる界面活性剤。多量に摂取すると下痢を起こすことがある。一部で、妊婦の摂取によって催奇性・染色体異常の懸念もあるとされるが、根拠は不明。
(4)プロピレングリコール脂肪酸エステル
安全性△
日本医薬品添加剤協会によって安全であるとされている。低用量の使用であれば問題ないとされている。また、単独で使用されることがなく、他の乳化剤と組み合わせて使われる、という意味で△(脂肪酸と結合する前のプロピレングリコールは有機化合物として危険物第4類に分類されている)
(5)サポニン
安全性△
植物の花や、樹皮、種子等から抽出。大豆由来の場合、遺伝子組み換えである可能性大。
(6)レシチン(大豆リン脂質)
安全性△~×
天然の界面活性剤として多目的に使われる。しかし、この大豆が遺伝子組み換えである可能性が非常に高いため、安全であるとは言えません。
しかし、どれが使われていても「乳化剤」としか記載されないので、私たち消費者にはこの中で何が使われているのか分かりません。
安全性
何が使われているか分からないということが問題
食品表示法で、同じ用途のために使われているものは一括して表示してよいとされているので、乳化剤のうちのどれが使われているかまでは書かれません。中には安全性が確認されている物質もありますが、遺伝子組み換え食品から抽出しているものもあります。そのどれが使われているのか判断ができないのです。知らず知らずのうちに口にしたくない食品を摂取する可能性があるということです。
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まとめ
・乳化剤には様々な物質が使われている。
・安全な物質もあれば、遺伝子組み換え食品由来のものもある。
・どれが使われているかは分からない。
お菓子やデザート、アイスクリーム、乳飲料など多くの食品に含まれる乳化剤。毎日摂取している、という人もいるのではないでしょうか。しかし上記のことからも、日常的に摂取するのは好ましくないと言えるでしょう。やむを得ない場合を除いては、出来るだけ避けたい添加物です。