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【先生たちへ】授業中の離席&教室に居られない子に効果があった手立て

投稿日:2019年6月14日 更新日:

毎日頑張る先生方へ

授業中に離席してしまったり、教室に居られなかったりする子がいます。何か良い方法はありませんか?

こういったお悩みにお答えします。

✔️ 本記事の内容

・【先生たちへ】授業中の離席&教室に居られない子に効果があった手立て

・授業中にできること

・それでもだめなら

・一番は子どもの気持ちを理解すること

・棚ぼた効果あり

✔️ 補足

本記事を書いている私は、4年間の教員として働いていました。(低学年の担任4回)今回はその経験をもとに、授業中にどうしても離席してしまう子や、教室に居られないという子に効果があった手立てをご紹介していきます。

小学校の低学年向けなので、発達段階に応じて少しづつカスタマイズされると良いかと思います。

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【先生たちへ】授業中の離席&教室に居られない子に効果があった手立て

子どもは飽きる生き物

まず、皆さんよくご存知かと思いますが、「子どもは飽きる生き物」です。

よく、15分ごとに活動を変えると良いとも言われますね。

私はこれを常に念頭に置いて授業を組み立てていました。

実際、45分の授業で「15分×3」くらいに活動を分けてあげると、子どもも教師もストレスなく授業を進められることが多かったです。

授業にいかに引き込むか

日々の教師の戦いは、子どもたちを

いかに集中させられるか。

いかにこっち向かせるか。

いかに楽しませるか。などなど。

ですよね。

私が実際にやってみて、効果があった方法をご紹介していきます。

効果があった手立て

〈授業中にできること〉

・子どもたちをあえて動かす「こんにちはゲーム」

・ICTの力を借りる

・授業の流れボードを作る

・子どもに選ばせる

・お手伝いを頼む

〈それでもだめなら〉

・チケット制

・お散歩に行かせる

・最終手段「Help me」

授業中にできること

子どもたちをあえて動かす「こんにちはゲーム」

離席をしてしまうのはなぜか。と考えると、何かの理由で、座っているのがしんどいから。

そしたら、いっそのこと、こちらから動かしてしまいましょう。

それで思いついたのが、

「こんにちはゲーム」

これは、自分の意見や、ワークシートに書いたことを友達と共有するときにとても便利。

〈やり方〉

▼ ①「ねえねえ〇〇ちゃん/くん」(優しく肩をとんとんする)

▼ ②「こんにちは」「こんにちは」

▼ ③自分の意見を発表する。→もう一方が発表する。

▼ ④「またね~バイバイ~」

〈ルール3つ〉

・「ねえねえ」と言われたら無視は無し。

・「ねえねえ」→「はあい」か「なあに」で答えてあげる。

・「もし逃げた人がいたら通報してね!逃げた人はずっと先生とやります!」みたいにふわっと忠告しておく。

〈慣れてきたら付け加えること〉

・人の話は目を見て聞く

・「うんうん」と頷きながら聞けたらGood

・「〇〇なところが素敵だね!」と言えたら最高!

※慣れてきて子どもたちが自然に動くようになるまでは、無理しなくてOK!上のルールだけで十分効果があります。

クラス全員を動かせるし、自分の意見を聞いてもらえて、友達の意見も聞ける。

そして、あいさつや声をかけられた時、話を聞く時のソーシャルスキルトレーニングにもなる。

さらに面白いのが、離席防止のために考えたゲームだったのに、他の子にもかなり効果があったことです。

どのような効果があったのかというと、ワークシートを配ると「え~。書くのめんどくさい」と言っていた子が、このゲームが好きすぎて、ゲームをやりたいがためにワークシートを一生懸命書く、という事態に。これは予想外でしたね!

〈やる時のアドバイス〉

・だらけてきて世間話を始めた時

「ちゃんとゲームして」って注意しがちなのですが、それだとやらされてる感が子どもに出てしまうので、

「ねえねえ!」って、教師自ら参加するのがとても効果的です。

子どもと一緒にやる。そしてやる気のない子がいたら教師が自ら声かけにいく。

これに限ります。

一石五鳥六鳥くらいの効果があるアクティビティで、かなりおすすめです。

(子どもに説明しにくかったら上のぶたちゃんとりすちゃんの画像使ってOKです!)

ICTの力を借りる

ズバリ、「動画や写真を見せる」

これは現代の子どもたちに大変有効。

子どもたちは、先生という3Dに日頃から見慣れてしまっているので、たまに2Dの世界に連れて行ってあげると、集中力が増します。

先生が説明するより、説明動画とか見た方が、みんな集中してんじゃん!てこともしばしば。

かと言って2Dの世界ばっかり頼っていてもまたすぐ飽きますので、その辺のバランスがとても大切。

授業の流れボードを作る

この後何をするのか先が分かると子どもたちは安心して授業に集中できるようです。

特別支援の領域でよく有効とされている方法ですが、実は全ての子にとって有効な手段です。

特に離席してしまう子にとっては、見通しを持つということで安心できます。

〈やり方〉

100均のホワイトボードか何かに、書いていきます。

①音読する

②ワークシートをやる

③発表する

④まとめる

あまり細かく書きすぎないことがポイント。

絵や写真にしてみても良いですが、大変という方は、軽く始めてみて、子どもたちの反応を見てみることをすすめします。

子どもに選ばせる

小さなことでOKです。

例えば、

・お花の磁石か、丸の磁石か、どっちがいい?

・右に貼るか、左に貼るか、どっちがいい?

・座って読むか、立って読むか、どっちがいい?

(↑この場合個人プレーなので全員統一しなくて大丈夫。各々好きな方でやらせる。)

・こっちとこっちどっちを先にやる?

意見が分かれた時には、うまーく間を取りつつ、次はそっちでやるね!とか言って、とにかくさらっとうまくやってください(笑)

子どもたちは、「自分で選んだ」ということがやる気になるようです。

あとは、人間誰しも「意見を求められる」ということは、「頼りにされている」と感じて嬉しいのかもしれません。

この選ばせる作戦は、子どもの集中力が切れた後ではなく、できれば切れる前の日頃の予防線として用いるのがおすすめです。

子どもたちの機嫌がいい時に、色々予防線を仕込んでおくというのが結構大切な気がしています。

お手伝いを頼む

例えば、

・これ後ろに運んでくれるかな?

・後ろの磁石とってきてくれる?

・窓開けてくれる?

・〇〇さんにこれ届けてくれるかな?

など、子どもたちは大喜びでお手伝いしてくれます。

大人だったら、こんなこと頼まれたら、ぱしりじゃん…とか思ってしまうようなことなのですが、子どもってすごいですよね。

先生に頼られているのがきっと嬉しいんですよね。あとは感謝されるのが嬉しいとか。

この時、集中力が切れかけの子に頼むのが良いです。その後急にやる気になったりします。

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それでもだめなら

それでもどうしてもだめな時もたくさんあります。

そんな時どうしていたかについて書いていきます。

チケット制

これは、あらかじめチケットを作っておいて、子どもに持たせておき、授業中どうしても我慢できなくなった時に使えるというものです。

これは、時間チケットと、場所チケットを合わせて使います。

〈時間チケット〉

・10分

・20分 など

〈場所チケット〉

・教室の前の廊下

・水道の前

・図書室

・相談室

・生活科室

など、子どもと話し合いながら作りましょう。

↑これがとても大切!先生が勝手に決めたのでは意味がないので、子どもが納得してできるようにしましょう!

〈アドバイス〉

・一人にしない

教室の外に子どもを出す時には、子ども一人では安全確保ができないので、必ず支援の先生などに付き添ってもらうようにしてください。当たり前ですが一応。

・約束事

「時間までには必ず戻ってくる」というのを約束しましょう。

私は「戻って来られなかったら次の日一日チケットお休みになっちゃうからね」と釘をさしていました。

カードに「時間までに戻る」と記載しておくのも良いです。視覚的に見えた方が子どもにとっては効果的ですしね!

〈チケット制の効果〉

「いきなり教室を出てしまうという」状態から、いきなり「教室から出ない」ところまでジャンプするのではなく、目標を小さくして、「先生に言ってから出る」というところに設定。

口で話せる子は良いのですが、なかなか「言ってから出る」ができなかったので、チケットにしたらすんなりできるようになりました。

また、このチケットを持っているといういことだけで安心感になるようで、私が見た子の場合は、このチケットをほとんど使わず(数回使っただけ)に、いつの間にか教室にいられるようになりました。

お散歩に行かせる

どうしても手に負えなくなってしまった時、暴れだしそう、癇癪を起こしそう、という時は、他の先生にお願いして(指導助手の先生などがいればベスト)お散歩に行かせましょう。

廊下を歩いたり、校庭を歩いたりしてリフレッシュさせてしまうのがお互いのためにも、周りの子どもたちのためにも良い方策です。

これをするためには、学校の職員全体での周知が必要なので、上に相談して、会議を開いてもらったり、職員会議で周知しておくなどの事前の根回しが必要です。

最終手段「Help me」

最後の手段です。一人では抱え切れないという場合には、周りに頼る。

教頭先生や校長先生の出動です。

職員室に内線で連絡して、少し落ち着くまで別室にいるなり、話を聞いてもらうなり、お散歩に行くなりして、相手をしてもらいましょう。(学校の体制にもよりますが)

子どもも、いろんな先生に関わってもらうことで満足するのと、いろんな人に見てもらっているという安心感にもつながります。(学校の体制にもよりますが)

毎回だと職員室にいる先生も忙しくなってしまうので、最終手段ではありますが。年に数回は、仕方がないかも。(学校の体制にもよりますが…)

これも何の前置きもなく呼ばれても、くる方も困ると思うので、「そういう事態になってしまうかもしれません」と、職員には知らせておきましょう。

一番は子どもの気持ちを理解すること

どうして離席してしまうのかな。

どうして教室から外に出たいのかな。

ということを、子どもと話しておくのがとても大切だなと思っています。

機嫌がいい時に、です。

子どもがもやもやし始めてから聞いてもろくに答えてくれないので、機嫌がいい時を狙ってよく話しいておくのが良いですね。

意外な本音が聞けることもあります。

信頼関係をコツコツ積み上げておくのが、やはり一番ですよね。

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棚ぼた効果あり

配慮を要する子のためにやっていた取り組みが、気づくと、周りの子たちのためにもなっているということが多々あります。

子どもを飽きさせず、楽しませながら授業をするということを全力で考えるので、そうなりますよね。

子どもたちによって、手立ての合う合わないがあると思うので、その子たち用に変えながら、試行錯誤しながら、色々やってみてください。

今回は以上となります。先生たち毎日本当にお疲れ様です。

私の経験が、少しでも何か先生方のヒントになったら本望です。

今日もゆっくり休んで(忙しいけど)、明日に備えてくださいね!(^^)

-仕事, 子ども

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