小学校低学年のお子さんをお持ちの方へ
時計の勉強が始まったのですが、苦戦しています。子どもが時計を読めるようになるには、どうしたら良いでしょう。何か良い方法はありますか?
こういった疑問にお答えします。
✔️ 本記事の内容
・子どもに時計を教える時の心構え
・子どもが時計でつまずく理由
・時計のつまずきポイント3つと勉強法
・デジタルよりアナログ時計を使うべき理由
・まとめ
✔️ 補足
元教員であり、低学年の担任として4年間勤務していた私が、自身の経験から、子どもの時計の勉強法や日常から学んでいける方法などを解説します。
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子どもに時計を教える時の心構え
いつかは読めるようになる!と腹をくくる
大人は、無意識的に時計を読んでいるので、意識しなくても見ただけでわかりますよね。
でも初めて習う子どもにとっては、未知なるもの。
あまりにも大人が無意識的に読みすぎているので、子どもが分からないと、説明できないとか、「なんで分からないの?」にたいな感じでイライラしてきてしまうという声もありました(笑)
保護者の方も必死ですから仕方がないですね。
そんな時は、「いつかは読めるようになるから大丈夫!」と大人側が腹をくくってしまうことが一番です。
子どもと向き合っていると忘れてしまいがちですが、気長に気長に、ですね!
子どもの「できるようになる」はピラミッド式
今例えば時計ができなくて、それ苦手だから一生懸命やりますよね、でも、やっぱりできない。
そういう時は、上記の通り大丈夫!と一旦腹をくくるんです。
そうして違う勉強をやっているうちに、いつの間にか、時計もできるようになっている。不思議…ということが起きます。
推測ですが、ピラミッドの裾野が広がったからだと私は思っています。
裾野の狭いピラミッドに高く積み上げようとしても、積み上がらないし倒れてしまいますよね。
一見無関係と思われる知識がついたことで、裾野が広がり、積み上げられるようになった。
算数はどこかしらつながっているので、時計だけやっていて分からなかったものが、違うことを学んで理解できるようになったと捉えることもできます。
とにかく、どうしてもできない場合には、気分を変えて違うことを勉強してみるというのも一つの手です。
「うちの子だけ?」という心配は無用!
時計ができないのは、うちの子だけではありません。大体の子が苦戦するポイントです。
この後説明しますが、時計には、子どもにとっての難関ポイントがいくつかあります。
そもそも時間という感覚がある子はあまりいませんので。
子どもは時間に縛られない生き物ですからね。
子どもが時計でつまずく理由
目に見えないものだから難しい
時間は、目に見えないというのが、ほとんどの子がつまづく原因です。
小学校1、2年生というのは、発達段階的に、具体物(実際に目に見えるもの)が全てという世界で生きています。
足し算も引き算も、おはじきや数え棒を使えば分かるし、数えれば解決する。
でも時間は全く見えないですよね。
見えないものをどうにか見ているように形にしたものが時計。
子どもたちは、誰かが作った針がぐるぐる動く丸いもののルールを理解するまでに、相当頭をフル回転させて頑張っているというわけです。
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時計のつまずポイント3つと勉強法
算数の学習で、
1年生の時に「時刻の読み方」
2年生の時に、「時間(何時間・何分間など)」
を学習します。
主なつまづきポイントを3つ説明します。
①ジャストちょい手前
「7時58分」「9時56分」とかです。
どうしても、
「7時58分」は、「8時58分」って言いたくなるんですよね。
短針がほぼ8のところにあるから。
「9時56分」は、「10時56分」って言いたくなる。
【勉強法】
そういう時には、
「これは8時になってる?」
「これは10時になってる?」
ってひとつひとつやっていくしかありません。特効薬は、、無しです。
初めは何度も同じ間違いをしますが、徐々に自分で気づけるようになっていきます。
気づけず間違ってしまう子も中にはいますので、そういう時は大前提でお話しした通り、「いつかは読めるようになる!」とこちら側が腹をくくりましょう。
大丈夫です。いつかは必ずできるようになりますから(^^)
②○時間&○時間○分
この、「間」というのが、か!な!り!苦戦ポイント。
5分間、15分間、30分間とかならまだいいのですが、
2時間40分とか、7時間30分とか、もうぐるぐるしちゃって分かんなすぎ終了…
みたいになっている子も…
しまいには「3時間40分間」とか、「3時40分間」とか、、
言いたいことはめっちゃ分かるよ。っていう事態に陥ります(笑)
しかもかなりの高確率で!
そういう時は、温かく見守ってあげましょう…
そして穏やかに解説。
【勉強法】
できればミニ時計(算数セットに入っているような)を使って、1時間、2時間…と数えながら地道にやっていくのが良いです。
図で書いてあげるのも良いですが、図よりも実物を使った方が子どもには分かりやすいことが多いです。
③午前午後
午前と午後を習うのは良いのですが、「午後2時間」「午前4時間」って言い出すことがあるんです。
すごくこれ、言いたい気持ちわかるんですけどね。間違っていない気さえしてくる(笑)
勉強法
午前午後がつくのは、時刻だけ。○分間見たいのにはつかない。と説明するしかないですね。
あとは時が経ったらこれも理解できるようになるので、大丈夫です。
そもそも時刻が読めません…
こういう子も中にはいます。
長針の5とびの意味もなかなか理解できないという場合。
そういう時に一番大切なことは、「焦らない」ことです。
保護者なら不安になってしまうのも当然ですが、その子のペースで学んでいくのが一番。
勉強法
まず、長針の目盛りに1~60分が書いてあるプリントの問題を何度もやること。
できるようになったら、目盛りが5、10、15…と5とびになっているプリントをやる。
次は10とび、というように徐々に長針のメモリを減らしていきます。
できなくなったら、1つ前の段階に戻って、気長に、、、です。
デジタルよりアナログ時計を使うべき理由
お子さんがいるご家庭では、デジタル時計ではなく、アナログ時計を置いておくのが良いと思います。
その理由を3つ説明します。
時が進むという感覚が目で分かる
デジタル時計だと、いきなり数字だけ変わるので、時が進むという感覚がとても掴みにくいです。
アナログ時計は、できれば秒針付きのものが良いです。秒針60回進んだら1周して、長針が動く。こういう時計の法則を目で見ることができるからです。
先にも行った通り、子どもにとっては、目に見えるものが全てですので!
長針と短針の関係が感覚的に分かるようになる
これは、長い針に合わせて短い針も少しずつ動いているということに」気づけるということ。
例えば、10時30分だったら、短い針は10と11の間にあります。
10からいきなり11にカチッと動くわけではなく、長針の位置によって短針の位置も変わっているという感覚を身につきます。
そうすると、さっきの7時58分を8時58分と言ってしまうような間違いにも気付きやすくなります。
数字と具体物を結び付けられるようになる
何時何分という数字だけが一人歩きしてしまいがちです。
分からなくなった時には必ず具体物に立ち返るというのをルールにしておくと、子どもも安心して学習できます。
数字と実際の時計が頭の中でつながっているかが、とても重要なポイントです。
実物の時計に見慣れてくれば、針がある位置で何時何分か分かりますよね。大人が無意識にやっていることです。
イメージをわきやすくするためには、生活の中で常に見慣れておくことが一番の近道です。
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まとめ
時計を教えるときの心構え
・いつかは読めるようになる!と腹をくくる
・ピラミッド式でできるようになるので焦らない
・時計ができないのはうちの子だけではない
子どもが時計でつまづく理由
・時間が目に見えないものだから
時計の勉強法
・特効薬はない
・アナログ時計を常に見えるところに置いておく
・レベルに合わせて気長にコツコツが一番
我が子が勉強が分からないとなると、不安になってしまいますが、大人がゆったりと構えて気長に見守ってあげましょう。一気に分かるようになる日も来たりします。(^^)